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NOTE 〜かきとめておきたいこと〜

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決断2(09夏〜秋)
決断1(09冬〜春)
2005年新春エッセイ「鶏」
塩麹の効能(レシピ付)
2004年の「はじめて」
ダイアリーはストレッチ…
がんばるという言葉
ひとつき経って
河原の秘密基地
ガムテープおじさん
指鉛筆
connectについて
高校時代の文集について
2004年みどりのテーマ

『ガムテープおじさん』

 久々に、大手町の乗り換え通路を歩いた。
乗り換えが大変、と悪評高い大手町駅であるが、東西線から千代田線への乗り換えも確かに長い。かつて私は毎日この道を通って大学に通っていたので、よくこんな通路長々と歩いていたよなぁ毎日、と少し感慨に耽りながら歩くうちに、一度ここで奇妙な経験をしたことを思い出した。
 
 私が学生の頃、底が5センチくらいのちょっと厚底のサンダルが流行っていた。私もその時、生成り色の麻素材、底はコルク調のサンダルを履いてとことこ帰路についていた。
 ところが、今となってはどこで買ったのかさっぱり覚えていないそのサンダルは多分相当チープなものだったんだろう、あろうことか、その長い乗り換え通路を歩くうちに、左足の底がすぽっと取れてしまったのだ。はしっこの糸だか接着剤だかのおかげで完全に取れたのではなく、底の一部は靴本体にしがみついていたのだが・・当然、そんな状態ではとてもまともに歩けるものではなかった。 
 私はよろよろになりながら通路の隅まで行き、壁伝いに、右足を一歩踏み出しては、左足のサンダルの底がサンダル本体から離れないように注意してそろそろ前へ動かし、また右足一歩踏み出しては左足をそろそろと注意しつつ前へ・・を必死で繰り返した。とても歩いているとは言えない情けない状態である。しかも、長い乗り換え通路。ここから千代田線に乗り換えて、家まではまだまだ遠い。
 こんなんじゃいつになったら家に着くかわからない、いっそのこと思いきって片足裸足で帰った方がいいかもしれない・・と思い始めた時、
「ちょっとお嬢さん」
 と私はふいに呼び止められた。
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